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カズオ・イシグロについて

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日本生まれの英国人作家、カズオ・イシグロさんがノーベル文学賞を授与されましたね。今ではどの本屋でも彼の作品を目にするようになりました。

私自身、カズオ・イシグロさんは大好きな作家です。偶然どこぞの本屋で手にした本、『日の名残り』がイシグロさんとの出会いでした。第二次世界大戦の前と後で、絶頂から転落してゆく一人の貴族を執事の目から語る一人称の物語です。イギリス独特の階級の中で、最も執事らしい執事が時折見せる、心の奥深くの人間的なものや葛藤が表現されていて、とても心が揺さぶられました。映画も素晴らしく繊細で大好きな作品の1つです。

カズオ・イシグロという名前を聞いて、「あれ?日本人?」と思われた方も多いのではないでしょうか。日本語表記では石黒一雄となります。イシグロさんは長崎県長崎市で生まれ、5歳の時に父親の仕事の関係で一家でイギリスに移住しました。

最も著名な小説は『日の名残り』(1989年)や『私を離さないで』(2005年)で、いずれも映画化されています。『日の名残り』で英国最高の文学賞ブッカー賞を授与されており、一連の作品は世界40カ国以上に翻訳されている世界的ベストセラー作家です。

ご自宅でのノーベル賞受賞決定後のインタビューの中で、彼はこう言っています。

『私はイギリスに育って教育を受けたとはいえ、私の世界の見方や芸術的なアプローチは多大に日本の影響を受けています。なぜなら私は日本語で、日本人の両親に育てられましたから。ずっと昔から私の一部は日本人です。』

長らく英国に住みながらもルーツである日本がご自身の中にあるんですね。両親や家庭の影響って本当に大きいんだなと改めて思いました。

イシグロさん、日本の映画、小説、漫画に多大な影響を受けているとのお話もありました。好きな映画監督は小津安二郎さん、黒澤明さんとのこと。では、漫画はどんな作品を読んでいたのでしょうか。う~ん、興味あります!ちなみに私は手塚治虫の大ファンです!

もうひとつ、個人的にカズオ・イシグロさんの記事を読んでいて、とても驚いたことがありました。
なんと日本での版権は、早川書房が独占で持っているとのこと!
イシグロさんの作品に関して、早川書房は日本国内での独占販売権を得ているそうです。今回のノーベル賞受賞で増刷増刷、本屋にイシグロさんの本が並ぶ並ぶ!ですよね。先見の明というか、すごい。

早川社長は、イシグロさんのことを『家族ぐるみのつきあい、友人』と表現されています。『ひとりの作家さんとのおつきあいや関係を大切にするのが弊社のモットー』と編集者の方が発言されていて、素晴らしいなと思いました。今は本がなかなか売れない時代と言います。こういう時だからこそ才能ある作家さんとの出会いを繋ぐべく、出版業界には頑張ってほしいですね。

つい先日、イシグロさん原作の映画『私を離さないで』のDVDを夫と一緒に見ました。静かに、人の内面を描く映画で私はすぐに引き込まれました。驚いたことに、正直夫が好きなジャンルではないかな~と思っていたのですが、私以上にはまっていたようです!(てっきり途中で寝るかと思っていたのでびっくりです。)死ぬこと、生きることを考えさせられ、日が経っても心に浮かんでくるものが残る映画でした。

映画も素晴らしかったのですが、原作はそれ以上に心に来るものがあるだろうと思い、さっそく図書館で予約しました。イシグロさんの本は、分かりやすい英語、表現で書いてあるとのことで、英語版を読むことにしました。じっくり味わいながら読みたいと思います。(^-^)

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